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UCLA バスケ部3選手万引き事件の概要 ~「USA TODAY」特集記事より~

■事件の概要

11月7日、UCLAのバスケットボール部の3選手は、試合のために訪れていた中国浙江省杭州市で、万引きの疑いで当局に拘束された。ロイター通信の取材によると、ルイ・ヴィトンの店舗。

当時、訪中していた米トランプ大統領の取り計らいもあり、3人は14日に帰国することができた。トランプ大統領は15日に、「UCLAの選手たちは感謝を述べるだろうか。10年も刑務所入りするところだったぞ」とツイートした。3選手は15日に会見を開き、謝罪するとともに、トランプ大統領に感謝の意を表した。

その後、選手の父親の一人が、トランプ大統領がどれだけ尽力したか疑問を呈す発言を米メディアにした。これに対してトランプ大統領は19日にツイッターを更新し、「私が選手のためにしたことを父親は受け入れていない。選手らを監獄に残しておくべきだった。とても恩知らずだ」などと不満をあらわにした。野党の民主党からは、「大人げない。大統領としての品位に欠ける」などと批判が出た。

3選手の今後の復帰に向けたプロセスや、復帰時期は未定。


USA TODAY特集記事 全文和訳
UCLAの選手たちは長期欠場の必要があり、信頼の回復に向け努力しなければならない」

3人のUCLAのバスケットボール選手は、中国での万引き事件後、無期限で拘束されていた。選手たちは謝罪するとともに、トランプ大統領がアメリカに戻れるよう手助けしたことについて、感謝の気持ちを述べた。

上記のことは始まりにすぎない。

無期限の拘束にはどういった意味があったのだろうか。

3人のUCLAの選手たちが中国での万引きにより逮捕された。万引きは、判断の過ちと言える範疇を大きく逸脱した、大変愚かな行動である。彼らは水曜日に準備された声明文を読み、犯した罪について認め、処遇をとりなしてくれたトランプ大統領を含む全ての人に謝罪し、反省の意を表した。コーチのSteve Alford氏やアスレチックディレクターのDan Guerrero氏は、LiAngelo Ball選手、Cody Riley選手、Jalen Hill選手の 3選手に対して、無期限の謹慎を言い渡した。アスレチックデパートメントは大学側と連携し、3選手の復帰時期を決定する前に、反省したかどうかレビューするプロセスを実施するだろう。

では、詳細な情報を元に、復帰時期の話をしよう。

UCLAは、11月29日にロサンゼルスで行われるワシントン大学とのPac-12開幕戦の前に、注目度の高いケンタッキーやシンシナティ―との試合を含む、12試合以上のカンファレンス外の試合がある。最低でも3選手はこのカンファレンス外の試合日程は欠場を余儀なくされるだろう。開幕後もカンファレンス前半の試合への出場は慎重に考慮すべきだ。デューク大学のガードGrayson Allen選手が昨シーズン、一連の事件の後に無期限の謹慎を受け、1試合の欠場後にすぐに復帰したというケースのようにはいかないだろう。

これはチーム規則の些細な違反ではない。解決のためにホワイトハウスからの援助を必要とするような、国際的な事件である。そして、「有罪が証明されるまでは無実だ」ということも認められない。彼らは罪を認めているのだから。

3選手は、他のチームメイトから数日遅れで帰国することができたが、他のアメリカ人は正当なプロセスを望みながらも、中国に留められている。アメリカンフットボールのコーチで元CFL選手のWendell Brown氏は、バーで暴力事件を起こし、2016年の9月から投獄されているという記事を先週Bleacher Reportが投稿した。Wall Street Journal によると、Brown氏は数ヵ月間家族と話すことも許されず、まだ判決を待っている状態である。

彼らには、少なくとも数ヵ月はUCLAのユニフォームを着る権利はない。彼らはチームに対して、大学に対して、また、カンファレンスに対して恥じている。Alfordコーチは水曜日に彼らがどのようにして、コーチやチームメイト、学校、そして地域社会からの信頼回復に努めるべきかについて語った。透明性を確保することが、ベストな手段である。

長期的な謹慎はもちろん必要なことかもしれないが、チームに居場所を取り戻すためにどのような努力をするべきかもまた、明確にするべきである。そして、彼らが何週間も口を閉ざしている質問に対して、回答しなければならない。(一方で、チームメイトたちはこの事件についてのコメントをずっと要求され続けるだろう。選手名簿に載ってしまっていることが運の尽きだ)

オクラホマ大学でのJoe Mixon選手の事件における最大の問題の一つは、Mixon選手が1年以上沈黙を貫いたことに加え、信頼回復のための謹慎中、当時のBob Stoopsコーチが、彼がしたことについて公表しなかったことである。Mixon選手のスキャンダルはオクラホマのフットボール界で話題になり、オクラホマ大学アメフト部、Soonersの活躍にも悪い影響を与えた。

UCLAはオクラホマ大学と同じ過ちを繰り返さなかった。この3選手が長期欠場すれば、彼らは自分たちの無謀で無責任な行動には多大な影響があることを理解することは間違いない。そして謹慎前、謹慎中、謹慎後に彼らが何をしたかをみんなが知れば、同じような事件を二度と繰り返されることはないだろう。

元記事はこちら
https://www.usatoday.com/story/sports/ncaab/2017/11/15/ucla-players-need-serve-long-suspension-earn-their-way-back/867912001/

JCAPoint Of View

今回の事件で最も注目すべきポイントは、不祥事に対する日米の責任の所在の違いです。UCLAバスケットボール部の学生3人が、中国で違法行為に及びました。トランプ大統領が直接動いていることもふまえ、立派な国際問題です。これが日本の学校であれば、直近の大会への出場辞退をはじめ、休部や廃部といったチーム(部)としての責任が問われます。しかし、米国では今回の件に限らず、選手が犯した罪について、チームは責任を取りません。なぜなら、犯罪の責任は個人にあると明確に規定されており、NCAAや各大学のアスレチックデパートメント(AD)のルールや判断に従って、個人に対してのみ処分が下されるからです。日本では部活動はあくまで課外活動であり、大学の正課ではないため、責任の所在がきわめて曖昧です。何か不祥事が起きた時に、最もリスクを負うのは現場の指導者というのが、日本の学生スポーツ界の現状です。